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処女作とは

私自身、二十年前の作品をちょうど見直しているところなので、旧作に再会するときの気恥ずかしさ、しかしその中にたしかに見出せる方向性の萌芽、という実感にひどく共感する。

十五年も昔に書いたものを、今さらのように読み返すのは少し気恥ずかしい。そこにいるのはもはや他人になった自分である。青臭い表現、性急さや気負い、今なら絶対に使わない挑発的な言い回しなどが、嫌でも目につく。だがそれでもなお本書は、たしかにこの私が書いた、私の第一作である。そしてたしかにここには、今日に至る自分の仕事の諸々の主題が、たとえ萌芽の形であっても、ほぼすべて出そろっている。処女作とはそういうものなのであろう。このことを文庫化に際して改めて再認識した。(文庫版あとがき p.335)