[オペラ・オペレッタ訳詞家の日常] 劇場(オペラ/ミュージカル/声楽/室内楽/オーケストラ/バレエ/映画/動画)
書斎(オフィス/読書/語学-・独・伊・露/翻訳/音楽/"ホームシアターオペラ"
[ ボストニエンヌ ・ ダイアリー ] 衣(からだ/ジョギング)食(料理/外食)住(交際/イベント)
[アメリカで、日本人が、育てる。] 学校・休暇(サンクスギビング/年末/冬/春/夏)
習い事・アルバイト・ボランティア・"ファミリームービーナイト"

ヴェラ・ウォン(Vera Wang)のサンキューカード

昨年の暮れに avery & co. で見つけたサンキューカードで、デザイナー Vera Wang(ヴェラ・ウォン) の名前を知った。

f:id:mayumiura:20160103200121j:plain

フォーマルな箱入りカードセットが並んだ棚で、私の好きな色味のオレンジが、ぱっと目を引いた。手に取ると、濃いグレー・空色・草色と、どれも深みがあって美しい4色のカード2枚ずつのセット。これ好きー!と即、2セットお買い上げ。素敵なものは、すぐ使い始める分とは別に、もう一つ、完成品ごとしばらく愛でていたいので。

開封すると、カード表面の白文字は、ただのプリントではなく、印字部分が盛り上がったエングレービング(銅版印刷)、封筒の隅にはエンボス(浮き彫り)で「VERA WANG」の刻印、と凝った作り。それもそのはず、ヴェラ・ウォンのカードシリーズは、クレイン社(Crane & Co.)の製品として売られており*1、製作・販売元がクレイン社、ヴェラは、ウィリアム・アーサー(William Arthur)に続く「クレイン社のスティショナリーデザイナー」という関係らしい。(このウィリアム・アーサーのカードセットも1組買ったので、これはまた別の機会にご紹介)

f:id:mayumiura:20160103200325j:plain

私にとってクレイン社は、自分の結婚式の招待状に採用して以来、少しあらたまったお便りに使うカードとして常備している「信頼のブランド」なので、今回ぱっと見で選んだヴェラのカードが、後付けで品質保証されたようで嬉しかった。でもこの作りの割りには、小型でややカジュアルな用途のカードだからだろう、8セット入りで$16.00(1セットあたり$2.00)というのはお手頃価格だったと思う。コンビニのCVSで売られているような大量生産カードでも、3ドル4ドルすることあるものねー!

ところで、グレーのカードだけは黒字では読めないくらい濃い地だったので、一瞬あっちゃ〜と思ったが(私は手書きには黒インクしか使わない)、苦肉の策、名入りの一筆メモと組み合わせてみることにした。う〜ん、封筒のアイボリーと色が違うし、表のTHANK YOUフォントとも違うから、「私の作品に勝手に手を加えるな!」ってヴェラさんに怒られちゃうかな…。

f:id:mayumiura:20160103212842j:plain

さて、こんなカードをデザインしたヴェラ・ウォン自身も、調べてみると、とても興味深い女性。

Vera Wang | Wedding Dresses, Bridal Gowns, Designer Clothing
About Vera - Vera Wang Papers

1949年ニューヨーク生まれ(66歳)の中国人移民二世。デザイナーとしては、ウェディング・ガウンで最も有名らしい。若い頃はフィギュアスケートで全米選手権(1968年)に出場したほどの選手だったそうで、その縁で、フィギュアスケートのオリンピック選手たちの衣装デザインも多く手がけているとか。競技者のニーズを自分の体で知り尽くしているデザイナー、という存在は、選手にとって心強いことでしょうねー。

出身大学は、芸術分野に強いことで知られるリベラルアーツの女子大、サラ・ローレンス・カレッジ(Sarah Lawrence College)。就職した米ヴォーグ誌では、かのアナ・ウィンターと編集長の座を争っ(て負けて退社し)たらしく、アナを追ったドキュメンタリー映画「ファッションが教えてくれること」(The September Issue;2009年)にもヴェラは出演しているそうだ。この映画、私はまだ見ていないけれど、かつてのライバル(しかも同い年だって)に対して、いったいどんなコメントをしているんだろう? ヴォーグを辞めた5年後に自分のブランドを立ち上げ、デザイナーとして大成したのだから、今は当時の顛末に感謝しているのだろうか?

ボストンにも ヴェラ・ウォンのブティック はあるけれど(もちろんニューベリーストリートの東側=高級ブランド街区にね)、ここはブライダル専門のよう。百貨店のノードストローム(Nordstrom)でも彼女のパーティドレスを扱っているようなので、そのうち覗きに行ってみよう。ジャカード生地のフィット&フレアードレスなんて素敵素敵!(これとか、これとか。素敵なのはモデルさんのせいかもしれないけど…。)

最後に、翻訳屋的メモ。

Wang(王)という中国姓の日本語読みは「ワン」だとばかり思っていたけれど(ボストンにある劇場 Wang Center も「ワン・センター」と呼ばれているし)、彼女の名前の日本語表記は「ヴェラ・ウォン」で統一されているようだ。「ウォン」だと通貨の won みたいだけど、いいのかしら? IPA表記では [u̯ɑ̌ŋ]。「ウァン」に近い感じなのかなあ。(あああ、今年はIPAをもっと勉強しなくては!)